バラの日本史
 
第2章 平安時代

第2章 平安時代

近代になるまでは写真などはありませんから、バラの存在は文献の記述を探っていくしかありません。
 
平安時代から現代に至るまでの大ベストセラー小説「源氏物語」にバラがでてきます。

階のもとの薔薇、けしきばかり咲きて、春秋の花盛りよりもしめやかにをかしきほどなるに、うちとけ遊びたまふ。(賢木巻)

”春秋の花盛りよりも”という部分から、繰り返し咲く四季咲きのコウシンバラではないかと言われています。
お屋敷のバラですから第1章奈良時代で紹介した道端の野バラとは違って、中国から渡来したバラを『栽培』していたということになります。
 
そしてまた、大ベストセラーエッセイ「枕草子」にもバラはでてきます。
ただ、枕草子には様々なバーションがあり、”薔薇(さうび)”とでてくるのは「能因本 70段 草の花は」に限られるようです。草の花はなでしこ、に始まり、夕顔、葦、萩などと並んで語られています。

薔薇(さうび)は、近くて、枝の様などはむつかしけれど、をかし。

枝がごちゃごちゃして鬱陶しい、それもまぁ趣きがあるでしょう、と・・・。
 
そしてこれもまた大ベストセラー歌集の「古今和歌集」。
紀貫之さんが

我はけさ うひにぞ見つる 花の色を あだなるものと 言ふべかりけり

と詠んでいるそうです。
けさ(今朝)の”さ”と、うひ(初)の”うひ”を足して”さうひ(薔薇)”が込められているとか。洒落てますね。

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