バラの種類

バラの分類は育種者、研究者により細かい部分で様々に見解が分かれています。
Rose Gardenではそれぞれに使用される分類名をできる限りピックアップし、「バラの種類」として解説しています。従って一つのバラが複数の種類に該当することもあり得ます。
バラの分類論としてではなく用語辞典としてご利用いただければ幸いです。

  1. 原種/オールドローズ
    1. 原種
    2. アルバ Alba Rose  略号:A
    3. エグランテリア  略号:E
    4. ガリカ Galica Rose  略号:G
    5. コルデシー  略号:K
    6. センペルビレンス
    7. ダマスク Damask Rose  略号:D
    8. ケンティフォリア Centifolia Rose  略号:C
    9. チャイナ China Rose  略号:Ch
    10. ティー Tea Rose  略号:T
    11. ノアゼット Noisette Rose  略号:N
    12. ハイブリッド・スピーシーズ Hybrid Species
    13. ハイブリッド・パーペチュアル Hybrid Perpetual Rose  略号:HP
    14. ブルーソー Boursault Rose  略号:Bslt
    15. ブルボン Bourbon Rose  略号:B
    16. ポートランド Portland Rose  略号:P
    17. ポリアンサ Polyantha Rose  略号:Pol
    18. ミセレイニアス Miscellaneous  略号:Misc
    19. モス Moss Rose  略号:M
    20. ランブラー Rambler Rose  略号:R
    21. ルゴサ Rugosa Roses
  2. モダンローズ
    1. アンティーク Antiquated Rose
    2. イングリッシュ English Rose  略号:ER
    3. クライミング Climbing Rose  略号:Cl
    4. グランディフローラ Grandiflora Rose  略号:Gr
    5. グランドカバー Ground cover Rose  略号:GC
    6. クリーピング Creeping Rose
    7. シュラブ Shrub Rose  略号:S
    8. スプレー Spray Rose
    9. ハイブリッド・ティー Hybrid Tea  略号:HT
    10. パーク Park Rose
    11. パティオ Patio Rose
    12. ハンギング Hanging Rose
    13. フロリバンダ Floribunda Rose  略号:F
    14. ミニチュア Miniature Rose  略号:Min
    15. モダンシュラブ Modern Shrub
    16. ランドスケープ Landscape Rose

原種/オールドローズ

原種

地球上に自生する野生種のことをいう。
およそ150種から200種あるといわれ、現在栽培されているバラはこのうちのロサ・ガリカ、ロサ・キネンシス、ロサ・ムルティフローラ、ロサ・ルキアエ、ロサ・ギガンティア、ロサ・フェティダ等の十数種が元になっている。
中国西部、日本をはじめとするアジア、ヨーロッパ、北アフリカ、北アメリカ等の北半球に自生する。
日本の野生種では、現代バラの発展に寄与したノイバラ、テリハノイバラ、ハマナシのほか、アズマイバラ、フジイバラ、モリイバラ、ヤブイバラ、ミヤコイバラ、ヤマイバラが主なものである。

【フルテミア亜属】
  ・シンプリシフォリア節
      ロサ・ペルシカ 他
【プラティロドン亜属】
  ・ミクロフェラ節
      ロサ・ヒルトゥーラ(サンショウバラ) 他
【ヘスペロードス亜属】
  ・ミヌーティフォリア節
      ロサ・ステラータ・ミリフィカ 他
【エウロサ亜属(バラ亜族)】
  ・インディカ節
      ロサ・キネンシス・スポンタニア、ロサ・ギガンティア 他
  ・カニーナ(カニナ)節
      ロサ・カニーナ、ロサ・ポミフェラ 他
  ・ガリカ節
      ロサ・ケンティフォーリア、ロサ・ダマスケナ 他
  ・カロリーナ(カロリナ)節
      ロサ・カロリーナ、ロサ・ニティダ 他
  ・キンナモメア節
      ロサ・キンナモメア、ロサ・ルゴサ(ハマナシ) 他
  ・シンスティラ節
      ロサ・ルキアエ(テリハノイバラ) 他
  ・バンクシアエ(バンクシア)節
      ロサ・バンクシア・アルバ(シロモッコウバラ) 他
  ・ピンピネリフォーリア(ピンピネリフォリア)節
      ロサ・フェティダ、ロサ・ユーゴニス 他
  ・ブラクテアータ(ブラクテタ)節
      ロサ・ブラクテアータ(カカヤンバラ) 他
  ・レビガータ(ラエヴィガータ)節
      ロサ・レビガータ(ナニワイバラ) 他

アルバ Alba Rose  略号:A

ロサ・アルバを基本種とするグループ。
「Alba」はラテン語で「白い、白の」という意味で、花色は白またはソフト・ピンク。
ロサ・ダマスケナとロサ・カニナの交雑種と考えられている(諸説がある)。
灰緑色の葉を持ち一季咲き。
中でもロサ・アルバは女神アフロディーテ(ヴィーナス)の誕生とともに生まれたとの言い伝えもあり、またボッティチェリの描く「ヴィーナスの誕生」の絵にちりばめられた白いバラはロサ・アルバ・セミプレナであろうと考えられている。イギリスのバラ戦争でヨーク家が掲げた白バラはアルバ・ローズであるともいわれる。

エグランテリア  略号:E

ロサ・エグランテリアを親とする一連の系統で、スイートブライアー系統ともいわれ、葉に香りがある。

ガリカ Galica Rose  略号:G

ロサ・ガリカを基本種とするグループ。最も古くからヨーロッパで栽培され、濃紅色の花色の先祖と考えられている。
ガリカの名前は、古代ローマ時代、現在のフランスを中心とした広い地域を呼んだ「ガリア」に由来している。これは、小アジア(または中近東)からヨーロッパへの渡来当時フランスで多く栽培されたためである。そのためフレンチ・ローズともいわれる。
1~3個の房咲きで一季咲き。

コルデシー  略号:K

ハマナシとテリハノイバラをもとにしてできあがったR.kordesiiをもとに育成された一連の系統。つる性で耐寒性のある丈夫なバラ。

センペルビレンス

センパビレンス。
半常緑性のつるバラで、晩夏に非常に多くの花を付ける。

ダマスク Damask Rose  略号:D

ロサ・ダマスケナを基本にした系統をいう。
春だけの一季咲きのものをサマーダマスク、これに対して区別がつかないくらい似ているが秋にも少し返り咲くものをオータム・ダマスクと呼ぶこともある。
一説には、ダマスク・ローズの名はシリアのダマスカスからこの薔薇がもたらされたためといわれている。
ダマスク・ローズの香りは薔薇の中でも代表的なもので、ダマスク香と呼ばれ、現代薔薇もこれを引き継ぐものは多く香料の原料として栽培されている。

ケンティフォリア Centifolia Rose  略号:C

センティフォリアとも読まれる。centiは「100あるいは非常に多い」、foliaは「葉がある」の意。その花の姿がキャベツと似ていることからキャベッジローズとも呼ばれる。
16世紀終わり頃(または17世紀初頭)から18世紀初頭にかけてオランダの育種家により開発され、オランダやフランドルの画家たちに競って描かれたため「画家のバラ」とも呼ばれている。
素晴らしい芳香がある。
ケンティフォリアはハイブリッド・パーペチュアルの一方の親となったり、モス・ローズの多くを生んだことなどでもバラ園芸に大きく貢献している。

チャイナ China Rose  略号:Ch

中国原産のコウシンバラと呼ばれるロサ・キネンシスの系統。
18世紀末~19世紀初めに中国からヨーロッパへ渡り、四季咲き性など、さまざまな優れた特質を園芸品種のバラ育種にもたらした。
これらの性質が取り入れられて19世紀にはポートランド、ブルボン、ノワゼット、ティー、ハイブリッド・パーペチュアルなど多くの系統が賑やかに花開き、現代のハイブリッド・ティー・ローズ(四季咲き大輪)へ発展する。

ティー Tea Rose  略号:T

ロサ・キネンシスとロサ・ギガンティアの自然交雑種と考えられるロサ・オドラータを発祥とする系統。
チャイナ・ローズの四季咲き性と、その名の由来ともなっている優雅で豊かな紅茶の香りを持つ。
今日のバラの主流であるハイブリッド・ティー・ローズの交雑親の一つで、現代バラ(モダン・ローズ)への道を切り開くことになった歴史的に重要な種。

ノアゼット Noisette Rose  略号:N

ノワゼット。
アメリカのサウスカロライナ州チャールストンにフランスから植物園の管理人として来たフィリプ・ノワゼットが作出し、パリに住む兄のルイ・ノアゼットが品種改良し、広めた。
強い芳香を持ち、遅咲き性、四季咲き性が合わさって長期間咲き続ける。
つる性。

ハイブリッド・スピーシーズ Hybrid Species

野生種を親にした原種交雑種。
ロサ・ルゴサ(ハマナシ)を親にして改良したものはハイブリッド・ルゴサ(HRg)、ロサ・モスカータを親氏似たものはハイブリッド・ムスク(HMsk)などと呼んで系統分けをしている。

◆ハイブリッド・エグランテリア
     Hybrid Eglanteria  Heg
     交雑親:ロサ・エグランテリア(ロサ・ルビキノーサ)
◆ハイブリッド・カニーナ
     Hybrid Canina  Hcan
     交雑親:ロサ・カニーナ
◆ハイブリッド・グラウカ
     Hybrid Glauca  Hglau
     交雑親:ロサ・グラウカ
◆ハイブリッド・コルデシー
     Hybrid Kordesii  Hkor
     交雑親:ロサ・コルデシー
◆ハイブリッド・スピノシッシマ
     Hybrid Spinosissima  HSpn
     交雑親:ロサ・スピノシッシマ
◆ハイブリッド・セティゲラ
     Hybrid Setgera  Hset
     交雑親:ロサ・セティゲラ
◆ハイブリッド・フォエティダ(ハイブリッド・フェティダ)
     Hybrif Foetida  HFt
     交雑親:ロサ・フォエティダ(ロサ・フェティダ)
◆ハイブリッド・フゴニス(ハイブリッド・ユーゴニス)
     Hybrid Hugonis  Hhug
     交雑親:ロサ・フゴニス(ロサ・ユーゴニス)
◆ハイブリッド・ブラクテアータ
     Hybrid Bracteata  HBc
     交雑親:ロサ・ブラクテアータ
◆ハイブリッド・フルテミア
     Hybrid Hulthemia
     交雑親:フルテミア・ペルシカ
◆ハイブリッド・マクランタ
     Hybrd Macrantha  Hmacrantha
     交雑親:ロサ・マクランタ
◆ハイブリッド・ムスク
     Hybrid Musk  HMsk
     交雑親:ロサ・モスカータ
◆ハイブリッド・ムルティフローラ
     Hybrid Multiflora  Hmult
     交雑親:ロサ・ムルティフローラ(ノイバラ)
◆ハイブリッド・モエシー
     Hybrid Moyesii  Hmoy
     交雑親:ロサ・モエシー
◆ハイブリッド・ラエウィガータ(ハイブリッド・レヴィガータ)
     Hybrid Laevigata  Hlaev
     交雑親:ロサ・ラエウィガータ(ロサ・レヴィガータ)
◆ハイブリッド・ルゴサ
     Hybrid Rugosa  HRg
     交雑親:ロサ・ルゴサ(ハマナシ)

ハイブリッド・パーペチュアル Hybrid Perpetual Rose  略号:HP

オールド・ローズがモダン・ローズに移行する最終段階の系統。
さまざまな雑種起源系統が交雑され育成されたもの。
別名ハイブリッド・ルモンタン(またはルモンタン・ローズ)。ルモンタンは2度あるいは数度咲くという意味のフランス語。
19世紀後期~20世紀初期にかけてよく栽培され、現代バラ(モダタンローズ)のハイブリッド・ティー・ローズの交配親の一つである。

ブルーソー Boursault Rose  略号:Bslt

ブルソーまたはブルーソールまたはブールソール。
パリのバラの栽培家で19世紀の初めにこの系統を作り出したブルーソー氏の名が系統名となっている。
香りがなく花形もきわだってよいともいえない、小さなグループをなす系統。

ブルボン Bourbon Rose  略号:B

インド洋に浮かぶブルボン島(現在のレユニオン島)で発見されたことからこの名がある。その後フランスで栽培され改良された。
花は大輪、抱え咲き、四季咲きで強い香りがあり、オールド・ローズのなかでも人気が高く、現在も広く栽培されている。
ハイブリッド・パーペチュアルの交配親の一つとなる。

ポートランド Portland Rose  略号:P

イタリアのナーサリーでポートランド公爵夫人マルガレートが発見しイギリスに持ち帰った(といわれている)ものがフランスへわたり、バラ育成家アンドレ・デュポンによって「ダッチェス(デュセッス、ドゥシェス)・オブ・ポートランド Duchess of Portland」と名付けられた。この第1号花名をとって系統名とする。
四季咲き性とダマスク香を持つ。
ハイブリッド・パーペチュアルの交配親の一つとなる。

ポリアンサ Polyantha Rose  略号:Pol

ポリアンタ。
「ポリアンサ」はギリシャ語で「たくさんの花」という意味。日本原産のノイバラ(ロサ・ムルティフローラ)と中国原産のチャイナ系(ヒメバラ。ロサ・キネンシス・ミニマ?)が交配されて作り出された。
小中輪房咲き、四季咲き。

ミセレイニアス Miscellaneous  略号:Misc

雑多な交雑系統。
(用いられることは少ない。)

モス Moss Rose  略号:M

Mossは英語で苔の意。苔バラと訳される。
花首から萼にかけて繊毛が密集してまさに苔で覆われたように見える。
ケンティフォリアから派生した系統のものが多いが、ダマスク系から派生したのものもある。

ランブラー Rambler Rose  略号:R

つる性の薔薇はクライミング(つるバラ)とランブラーとにおおよそ分けられる。この両者の間の違いは曖昧な場合もある。
クライミングと同じように這い上がるが、もっとしなやかで美しく垂れてくる。とても育ちがよく、大きな房に小さな花をたくさん付ける。一季咲き。

ルゴサ Rugosa Roses

日本原産のハマナシ(ロサ・ルゴサ)の交雑種。
ハイブリッド・スピーシーズのハイブリッド・ルゴサと同義。

モダンローズ

アンティーク Antiquated Rose

オールド・ローズの特徴を引き継いだ現代バラ。風情ある花形と濃厚な香りを持つ。
メイアン社の「ロマンチカ・シリーズ」などがある。
イングリッシュローズに対抗したもの?

イングリッシュ English Rose  略号:ER

英国のバラの育種家デイビッド・オースチン氏が作り出した、18・19世紀頃からあるオールドローズ(ガリカローズ、ダマスクローズ、ポートランドローズ、ブルボンローズ)とモダンローズ(ハイブリッド・ティーローズとフロリバンダローズ)を交配する過程で生まれた新しいバラのグループ。
オールドローズの花形、芳香、全体的形質と、新しいハイブリッド・ティーローズやフロリバンダローズの多彩な色と反復開花する性質が結びついていること、叢性(ブッシュ)、シュラブ型という古種の特徴が色濃く残っていることに特徴がある。

クライミング Climbing Rose  略号:Cl

つるバラ。
つる性のバラは、小輪から中輪で花をたくさんつけ、一季咲きのものが多いランブラー系、大輪から中輪で四季咲き性があり、枝幹が2m以上に伸びる大輪咲き系、ハイブリッド・ティーやフロリバンダ、ポリアンサなどの木バラが突然変異でつる性に変わった枝代わり系の三つの系統に分けられる。さらに詳細にクライミング・ハイブリッド・ティ(ClHT)、クライミング・フロリバンダ(CLF)、クライミング・ミニチュア(ClMin)、大輪咲きクライミング・ローズ(クライマー) Large Flowerd Climbing(LCl)、ランブラー(R)に分けられることもある。クライミングとランブラーは両方ともつる性であるので決め方に混乱がないわけでもない。
つるバラは、庭園のアーチ、目隠しや仕切り、トレリスやフェンス、スクリーン、ポール仕立て、ベット作りなどに利用される。

グランディフローラ Grandiflora Rose  略号:Gr

ハイブリッド・ティー・ローズとフロリバンダ・ローズとの中間のタイプの品種。ハイブリッド・ティー・ローズの系統に入れる場合もあり、区別がつかなくなっている。植物学的な名称ではなく、便宜上の区別のためにつけられたものである。
そもそもは、A.Moris氏が提案しAARS(AllAmerica Rose Selection)の選考委員会が決定した呼び名である。その条件は(1)比較的背が高く成長すること(2)四季咲きで房咲になることが多いが個々の花梗も切花に出来るほど長いこと(3)花の大きさはハイブリッド・ティー・ローズ程でなくてもよいがフロリバンダ・ローズの平均よりは大きいこと(4)蕾や花の形はハイブリッド・ティー・ローズの標準に準じていること、であった。

グランドカバー Ground cover Rose  略号:GC

地被バラと訳されることもある。這い性または横に広がる。
ほとんどが四季咲き性で小さい葉を持つ。房に3個から11個の小さい花をつける。

クリーピング Creeping Rose

シュラブ・ローズ(木バラとつるバラの中間の系統)が細分され、ハンギング・ローズ、クリーピング・ローズ、パーク・ローズ、ランドスケープ・ローズに分けられることがあり、その中の一つ。

シュラブ Shrub Rose  略号:S

このグループは一つのタイプを言い表すのではなく、木バラとつるバラの中間の系統で、原種間の交雑種とその改良種を総称する便宜上の名である。細分され、ハンギング・ローズ、クリーピング・ローズ、パーク・ローズ、ランドスケープ・ローズに分けられることがある。
オールド・ローズの園芸種の多くのものが含まれる。

スプレー Spray Rose

切花用。フロリバンダから改良されたものが多い。1本の茎から3~4本に枝分かれして花を付ける。
花束、アレンジメント等に利用される。

ハイブリッド・ティー Hybrid Tea  略号:HT

ハイブリッド・パーペチュアルとティー・ローズをより健康で活力のあるバラにしようと交配して作られた四季咲き大輪木バラ。
1867年、フランスのギヨーが発表した「ラ・フランス」がハイブリッド・ティー・ローズの第1号。
ハイブリッド・パーペチュアルの耐寒性、強健性にティーの四季咲き性や花型、花色を組み合わせたもので、モダンローズの中で最も姿が大きく品種数も多い。
一輪咲きの切り花用品種のほとんどはこの系統に属する。

パーク Park Rose

シュラブ・ローズ(木バラとつるバラの中間の系統)が細分され、ハンギング・ローズ、クリーピング・ローズ、パーク・ローズ、ランドスケープ・ローズに分けられることがあり、その中の一つ。

パティオ Patio Rose

パティオローズという名前には「パティオ(中庭)」でも育てられるようなコンパクトなバラという意味が込められている。
フロリバンダ(樹高80~120㎝くらい)より小型で、ミニチュアローズ(樹高20~50㎝くらい)より大きくなるものを指す。ほとんどが四季咲きで、花の色や形はさまざま。木立性だが、半つる性のものもある。性質が強健で扱いやすいのが特徴。
大型のミニチュアをパティオローズとする分類法もある。

ハンギング Hanging Rose

シュラブ・ローズ(木バラとつるバラの中間の系統)が細分され、ハンギング・ローズ、クリーピング・ローズ、パーク・ローズ、ランドスケープ・ローズに分けられることがあり、その中の一つ。

フロリバンダ Floribunda Rose  略号:F

ハイブリッド・ティー系にポリアンサローズがかけ合わされたハイブリッド・ポリアンサ・ローズがフロリバンダ・ローズと呼ばれるようになった。ラテン語のフロリ(花)とバンダス(束)の合成語で、別名クラスター・フラワード(房咲き)ともいわれる。
房咲き木バラで直立性、四季咲き。切花用のスプレーバラはフロリバンダから改良されたものが多い。

ミニチュア Miniature Rose  略号:Min

小輪で四季咲き性、矮性。樹高15cmから大きいものは50cmくらいになり、花径は2~5cmと全体が小ぶり。
ミニチュアの原種として有名なものはコウシンバラ(ロサ・キネンシス)の矮性種のロサキネンシス・ミニマである。
スイス軍医ルーレット(Roulet)が1918年、スイスの山小屋の出窓に咲いていた矮性のバラを持ち帰り、植物学者のコレボン(Correvon)に鑑定を依頼したところ、新種としてロサ・ルーレッティ(ロウレティ)の名が与えられた。これはロサ・キネンシス・ミニマの派生種と考えられている。
大型のミニチュアをパティオローズとする分類法もある。

モダンシュラブ Modern Shrub

オールド・ローズの大部分もシュラブだが、「モダン・シュラブ」は1900年代初めに、世界各地から集められた野性バラにモダン・ローズを交配したのが始まりとされ、それ以前のシュラブと区別している。

ランドスケープ Landscape Rose

シュラブ・ローズ(木バラとつるバラの中間の系統)が細分され、ハンギング・ローズ、クリーピング・ローズ、パーク・ローズ、ランドスケープ・ローズに分けられることがあり、その中の一つ。修景バラとも呼ばれる。