バラを漢字で書くと「薔薇」です。
とても難しい漢字で有名です。
なぜこんな難しい字になったのでしょうか。
AIさんに聞いても「なぜ」の詳しいことはわかりません。
でも、日本の誇るバラのパイオニア、鈴木省三さんが著書『世界のバラ』(1956年出版)の中で調査結果を書いています。
国立国会図書館デジタルコレクションから内容を紹介します。
鈴木省三 著『世界のバラ』,高陽書院,1956. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2480694 (参照 2026.01)
(国立国会図書館デジタルコレクションの転載時の表記例を参考にしています)
漢字の薔薇に意味はあるのか
薔:ミヅタデ(水蓼)
薇:ゼンマイ
と鈴木さんは書いています。
ミズタデはタデ科の一年草で、ゼンマイはぜんまい科の羊歯植物で食用になります。
バラとは何の関係もなさそうに思われます。
バラに当てられた最初の漢字は、中国の周時代の


であろうということです。
2つ目は(冬のあるほう)は明の時代に文字が使われなくなっているそうで、1つ目のほうから漢字の流れが始まります。

から、途中少しずつ偏などの形を変えつつ、
墻:垣根
靡:なびく
墻 靡
という、垣の助けで生育する植物という文字になっていったそうです。
ミズタデやゼンマイの意味は無くなりました。
つまりバラは、中国でも蔓性または半蔓性の野生バラから始まっていると言えるようです。
そしてバラ薔薇」になる
現在「墻靡」で検索すると「墻靡(しょうび / qiáng mǐ)」は中国の古典的な表現である、と表示されます。
古典的な漢字から現代的な漢字にすると、
薔 薇
になるのでしょう。
現代の漢字も、それぞれ1文字の意味はミズタデとゼンマイですが、そちらの方向から来た漢字ではないことがもうおわかりいただけると思います。
まとめ
漢字の国としては、同音異字はよくわかります。
伊藤さんがいたり伊東さんがいたり、渡辺さんがいたり渡邊さんがいたり。
多摩川だったり玉川だったり、深大だったり神代だったり。
結局、中国では野生のつるバラを「しょうび」と呼んでいたため音から当て字をし、垣根やつる植物の意味も含みつつまた当て字の当て字で変換・変形を繰り返し、今この難しい漢字に落ち着いた、というところでしょうか。