科学朝日 1968

古本屋で買ったバラの本をひと通り読み終わりました。
科学朝日というのは、朝日新聞社が発行していた科学に関する雑誌です。
その中で1968年にバラの特集を組んだようです。
科学なので、育種や花の発色など私には難しい(←メンデルの法則だけで挫けたタイプ)カタカナや記号ものがたくさん書いてありましたが、面白かった箇所もちょっとだけあったので紹介します。

・・・ヨーク家とランカスター家の”バラ戦争”になるわけだが、これは、ウィリアム・シェークスピアを文豪にさせただけで、園芸的には価値はない。
(寄稿者は鈴木省三さん)

ご尤もです。
バサッと切っちゃってます。

「ピースにまつわる秘話」・・・この花はフランスの名育種家故フランシス・メイヤンが・・・その発売権をゆずられたジャクソン・アンド・パーキンス社は協議の結果、このちょっと見たところでは平凡に見えないこともない丸弁の複色花を、企業冒険に値しないものとして拒否してしまった。
次に相談を受けたフィラデルフィア郊外のコナード・パイル社は、この花に大きな可能性を認めて・・・
(寄稿者は福岡誠一さん)

J&Pは残念なことをしましたね。
確かにピースは現在「Introduced in United States by Conard-Pyle (Star Roses) in 1945 as ‘Peace’.(helpmefindより)」と紹介されています。
平凡に見えないこともない、というのもわからないでもありませんけれど^^; 今となっては不朽の名作の代表です。

ドイツのコルデスが作出した新花で当時としては珍しい燃えるような朱赤の出色・・・ジャクソン・アンド・パーキンス社はこの花の色が消防自動車の塗り色そっくりだというのでサイレンという名をつけ、カタログにも消防自動車の天然色写真を一緒に掲げて大々的に宣伝した・・・さっぱり売れなかった。
(同上)

J&Pに同情の余地なしですよね(笑)
カタログで消防車と似ていると言われるバラを買いますか?
サイレンてなんですか?
ロマンの欠片もなくない?

イギリス人のバラの好みは日本人に似ている。
ピンクが評判のいい点だけは日本と違っている。
わが国は赤バラ、黄バラ、白バラの順である。
(寄稿者は青木正久さん)

へぇ、1968年頃はそうだったのですか。
ピンクのバラは評判イマイチ?
黄色のバラって案外人気がありますよね。

モスクワのボリショイ劇場前にローズガーデンがある。
ここには赤と白のドイツのバラ「クリムソン・グローリー」と「フラウカールドルシュキ」だけが植えられている。
(同上)

だけ?!
ちょっと見てみたい気もします。
1968年の雑誌なので今でもそこにバラがあるかどうかはわかりません。

そんなこんなで、

普通だったら読むはずもない科学の雑誌を私に読ませてしまうバラは、やはり偉大だ!と、今日もただただ感心しておりまする。

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