おちゃっぴい?

新聞に三鷹の森ジブリ美術館関連で、江戸川乱歩の「幽霊塔」の記事が載っていました。
「ルパン三世 カリオストロの城」の元ネタになった作品という紹介でした。
カリオストロは大大大(以下無限に略)好きな作品ですが、そういえば「幽霊塔」は読んでいなかったなと本を購入しました。
単行本だと宮崎駿さんのイラストのものもあるそうですが、お高いので^^;文庫本にしました。

乱歩さんは面白いとは思いながらも、作品数が結構多いので気後れしてあまり読んでいません。
そしてあの時代(昭和のはじめのほう)の作品も最近めっきり読んでいませんでした。

まだ読み始めたところなのですけれどね、久々に読むとカルチャーショックを受けますね。
現代とは全く違う文体、乱歩さんの文体はたいへんリズムが面白くて好きです。
そして使われている言葉がこれまた違います。

「おちゃっぴい」
私はここで仰け反りましたよ。
こんな言葉を聞いたのは遥か昔です。
栄子さんという女の子に対して、
『しかたのないおちゃっぴいだ』
『まったく栄子のおちゃっぴいのなせるわざだ』
『そのおちゃっぴいのかん高い叫び声が』
・・・・・・
もしも、宮崎駿さんに釣られて今の中学生がこの本を読んだとして「おちゃっぴい」って何?と聞かれたら・・・何と答えます?
実際に聞かれたわけではありませんが、そう考えたら、私はどう今の言葉に置き換えてよいのか思いつきませんでした。

そういう時は、辞書。

我が家の広辞苑(第三版)を紐解きますと、

①(おちゃひきの転)働いても金にならないこと
②多弁で滑稽なまねをする娘。おませな娘。

きゃー!「おちゃひき」って何?って聞かれそう^^;
お茶、挽きませんからね、誰も。
(わからない人は自分で辞書引いてね!)

次は大言海(だいげんかい 発行:昭和7年 著者:大槻文彦)

①主トシテ、小娘ナドノ、出過ギテおしゃべりスル者ヲ嘲リテ云フ語。

うーむ、なんとなく大言海のほうがピンと来るでしょうか?
出過ぎる子、お喋りで喧しい子、それが何の役にも立たずひたすらウザイ子・・・かな?
でも「おちゃっぴい」というと、なんとなく憎めない響きがいいですね。

「おちゃっぴい」が出て来たのは、300ページ余りある本の36ページ目なのですよ。
読み始めていきなりテンション上がっっちゃって、他にも素敵な言い回しがたくさんあったりして、ストーリーよりも乱歩ワールドそのものに盛り上がってしまった本でした。
あ、ストーリーももちろん面白いですよ、乱歩作品の中でも人気は高いようですし、なんといってもカリオストロの原型ですしネ!
とは言え、まだ途中だったのでした。
いちいち単語に引っかかっていないで先に進まなくちゃ^^;

コメント

  1. Keiko より:

    読書は嵌り込むと本当にその世界に生きている錯覚に見舞われますよね。
    先日Yukoさんがおいてってくれた文庫本を開いたらのめり込んで夜が明けていました。

    おチャッピィ、って言われたような記憶が・・・遠い昔。(笑)

    • ラ・ロズレ より:

      あら、お呼びの掛からない遊女だったのですか(←違う m(__)mシツレイ
      活発な女の子はみんな言われていた時代があったのに。
      語源が語源なので言わなくなってしまったのかもしれません。
      「その世界」に入り込める本に出合えるって重要ですね。
      暗くなるのも気づかなかったり、夜が明けるのも気づかなかったり、そんな本が読めたら幸せです(^^)v