[タイトル] ねずさんと語る古事記 壱 弐 参
[著者] 小名木善行
[形式] Kindle版
[金額] ¥1,232 (壱)+ ¥2,464(弐 参)
[内容] 日本の誇る大ベストセラー歴史書。
[感想]
原文(漢字のみ)+読み下し文+解説の3セットで構成されていて、原文を見たい人も楽しめるし、見なくていい人は飛ばせばいいので、いろいろ楽しめると思いました。
[雑記]
古事記の本はたくさんあります。
日本最古の歴史書と言われ、しかも国家的プロジェクトで編纂されたものですから、日本人としては絵本やら学校やらのどこかで必ず話を聞くことになっているものです。
ただ、この本で注意するべきは、いわゆる「通説」をひと通り知ってから読むものということです。
この本の著者は今までに習ったり読んだりしたのと違う解釈をしています。
どこがどう違うか、違いがわからないと面白くありません。
一番最初に読む本には向きません。
古事記は天皇につながる格式高い内容ではありますが、私は今までに読んだ楽しい解釈も大好きです。
アマテラスさんは、弟のスサノオがやんちゃ過ぎて近所からクレームばかり言われて嫌になって岩戸に引きこもり、困った周囲がアマテラスさんの気を引くために日本最古のストリップショーを開催してやんややんやと盛り上がりまくり、めっちゃ気になったアマテラスさんがそっと岩戸を開けたところで、はいお終い、、、これは通説を私風に解釈したものですが、こういう話にするとちょっとテンションが上りませんか?
初めて古事記を読む人はそういう方向から食いついてみるのも悪くはないと思います。
その他にも、イザナギ&イザナミ、ヤマタノオロチ、因幡の白兎、海幸彦山幸彦、などなど有名なお話がたくさんあるので、好きなところを入り口にするのも良いかもしれません。
そんなこんなを踏まえて別の解釈を読むと、世界が少し斜め上に広がります。
原文の漢字文はとても難しいものでした。
中国の漢文は、漢字でSVOなどを表しているものです。
しかし古事記の場合は漢字としての動詞もあるし、大和言葉に漢字を当て字にして使っているものもあります。
極端に言うと「夜露死苦(よろしく)」みたいなイメージでしょうか。
漢字の意味だけを追っていると訳が分からなくなります。
読み下し文は、私の大嫌いな漢文読みになるので、拒否反応もあってまったく読めませんでした。
そういうことを3巻もやっていたのでかなりの時間がかかりました。
でもゆっくりと神話というものの意味を考える良い機会になりました。
コメント
「読み下し文」という言葉をン十年ぶりに聞いたかもしれません。ポクポクポク…チーン!くらいの間がありました。
古事記は教科書にも載っていました。古文の授業でやったから、アレは読み下し文だったんでしょうねぇ。すっかり忘れました。
初めて読むのには適していないかもしれないですが、これはこれでおもしろそうですね。
『私本・源氏物語』を初めて読む源氏物語には推せないけど、ある程度の知識があり読む分には、二次創作として楽しめるのと似ているでしょうか。
高校生の頃は漢文が嫌いなのは中国が悪いと思っていましたが、私は読み下しが嫌いなのだと後に気づきました。
漢詩を中国語で聞くとそれは美しいものです。
二次的なものは、ハマると最高に面白いです。
素人にとっては好みによるところも大きいので、それが学説であったとしても、やっぱり好き嫌いは出ます。
英語の本も翻訳者が違うと違う物語になります。
解釈の違いは面白いとも言えるし、ある意味恐ろしいとも思いました。
>英語の本も翻訳者が違うと違う物語になります。
ですよねー
この本は読んだことはありませんが、小名木善行さんの大ファンです。
Youtubeの「結び大学」をご存知でしょうか?
主に日本の歴史を、そして世界の情勢や江戸時代の庶民の暮らしや、
とにかく興味深い内容です。
ををっ!さすがKeiko先輩です。
「結び大学」見てみます。
教科書ではないお勉強って楽しいですものね、学生時代にはそんなことには気が付きませんでしたけれど(笑)