切り薔薇のニュースを考える

YOMIURI ONLINE(読売新聞) 2006年10月28日
『バラの需要が本格化する冬場を前に、東京都中央卸売市場板橋市場花き部(東京都板橋区)に、花びら1枚1枚が異なる色を持つバラ「レインボーローズ・アリス」が、オランダから到着した。バラは昨年、オランダで開発され、既に日本にも輸入されている。白いバラに着色した水を吸い上げさせる方法で作られており、結婚式などのお祝いやパーティーの際のアイテムとして人気を集めている。』
(虹色の薔薇の写真は記事で)
 
虹色の薔薇について、語るつもりはありません。ただ、こういうものがあるんだというニュースとしてお読みいただければ幸いです。
それにしても、『バラの需要が本格化する冬場』なのですね?
12月12日のダズンローズが需要に影響するとは思えないし(悲)、クリスマス需要なのでしょうか?お正月はちがいますよねー。成人式。節分(←絶対違う(笑))。バレンタイン。etc.
卒業入学引越しは春だし。母の日はカーネーションの独壇場だし。結婚式やお誕生日や記念日は一年中あるだろうし。
この需要は個人ではなく業界絡み(何業界だ?)のような気もします。
結局のところ、誰が一番切り薔薇を買うのでしょう?
 
同じく読売新聞の2006年1月18日にも切り花の記事があります。
切り花の輸入が増えているのだそうです。
『取引国が多様化していることも特徴だ。キクはマレーシアやベトナム、バラはインドやケニア、カーネーションは中国、コロンビアといった具合だ。』
どうしてケニアが薔薇なのか。㈱フラワーオークションジャパンによると「フェアトレード」という『生産者と原料・商品を適正な価格で取引きすることで、生産者の経済的・社会的自立と環境保全を応援する活動』があるのだそうです。だから敢えてケニアで薔薇なのです。
薔薇の花束が好みか否か、買う買わないに関わらず、切り薔薇を侮ってはいけないのです。
検疫は大変みたいですけれどね。
再び読売新聞1/18から。
『花き卸売りの大田花き(東京)は、輸入ものの花に対抗しようと、産地限定栽培のバラをブランド化、昨年からPRに力を入れている。その名も「J―Rose」。「J」は「JAPAN(日本)」の頭文字。花びらが反り返って星形に咲くもの、独特の芳香が漂うものなど、珍しいバラばかりだ。』
私たちは薔薇に何を求めているのでしょう。考えさせられることばかりです。
 
ついでなので、もうちょっと遡って2004年7月14日のセントラル・ローズの大西隆さんのインタビュー記事も紹介しちゃいましょうか。ミニバラ生産者の大西さんは我が家のハイデルベルク嬢の生みの親であります。
大西さん曰く。
『オランダへ行くと、各家庭の窓辺に花が飾ってあります。街の人に見せているわけです。どれだけ美しく飾るかが奥さんの力量にもなっています。それに対して、日本は家の中を飾るのが中心です。囲った中で花を楽しもうとしてきました。ヨーロッパは街角に花屋さんがいっぱいあり、街を行く男性も、花束を抱えてさっそうと歩いていますが、日本は何かというと菓子折りを持っていく。やはり花より団子なんでしょうか。花市場の規模ではアメリカ、ドイツに次いで世界第三位ですが、まだまだ花文化の違いを感じます』
そう、文化が違うのですよね。違うのですからしょうがありません。でもイイナーと思ったところをちょっぴり取り入れてみるくらいは文化の放棄にはならないのではないかしらん?
 
 
世界は広いぞ。そう思いませんか?
 
 
普段ご縁の無い花き市場ですが、サイトを見るの、面白いですよ。「えぇ!?」なニュースもあったりします(笑)
東京近辺ばっかりですが、よろしかったらどうぞ。
  ・大田花き園芸
  ・(株)フラワーオークションジャパン
  ・東日本板橋花き
  ・世田谷花き
  ・自由が丘フラワーズ
 

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