横浜とバラ

少し前のこと、横浜方面で横浜バラ会さんの催しがあり、実家の母を特派員として送り込みました。
実家のすぐ近くでやっていたもので。
「横浜のバラの歴史を読んできて!」と、展示内容を見て歴史を覚えて後日報告というミッションを与えたのですが、行けば行ったでやはり色々あったようで、しっかり催しに参加してお話しを聞いて資料をもらって帰ってきました。
その資料を見たら鉛筆でたくさんメモまでしてあり(笑)ずいぶん真面目に聞いてきた様子でした。
バラをたくさん育てているような凄い人ばっかりだったわよ!と言っていました。
でも、母も、牛乳屋さんにいただいたHTと、私が押し付けた贈呈したオールドローズとミニバラを持っているのですから、けっして部外者というわけではありません。
 
バラの育て方については、母が理解して役に立てばそれで良しとして、いただいた資料から”横浜とバラの歴史”を少し紹介しますね。
横浜バラ会さんの資料を、少し写させていただきます。
そしてそこから、当たっているかどうか分かりませんが、いろいろ想像して楽しんでみましょう。
 
横浜は港町です。
旅客機の無い時代、横浜は外国へ通じる出入り口のひとつでありました。
欧米の文化の通り道であった横浜に、バラが無いわけがない、でしょう?
 
横浜開港は1859年(安政4年・江戸時代)。
モダンローズの先駆けとなったラ・フランスの作出(1867年)よりも少し前のことです。
そして、そのラ・フランス作出の翌年が、明治維新(1868年)。
あんなに覚えられなかった日本史もラ・フランスを基準にすると覚えられるかもしれない気がしませんか?(私だけ?^^;)
明治維新から3年後の1871年に、山手公園でフラワーショウが開催され、英国のカール・クライマーさんが栽培していたバラを出展しています。
バラの苗を本国から運んできたのでしょうか?
外国である日本での暮らしにもバラは必要だと思って?
だとしたら凄いですよね、家具や洋服と同じように暮らしにバラが当たり前だなんて。
何と何を植えて、何を出展したのでしょう。
ラ・フランスも早速取り寄せていたのでしょうか。
 
1912年(大正元年)には外国人住宅や外国商館のお庭にバラが植えられていたとあります。
やっぱり欧米の皆さんはバラを必要としたのですね?
これを見た日本人、欧米の方と親交があった方なら絶対にバラが欲しくなっていますよね。
バラ苗も販売されていたそうなので、買っちゃったのでしょうねぇ(笑)
たぶん大正の人も平成の人も同じことをやっていると思います。
 
1931年(昭和6年)シアトル市より横浜市に2,000本200種のバラ苗が贈られたそうです。
関東大震災の支援のお礼に桜の苗木を贈った返礼という親善のバラのようです。
資料に書いてあるのは「ラ・フランス、フラウ・カール・ドルシュキ、オフェリア等」。
どれも今でも銘花中の銘花として有名です。
でも気になるのはそのほかの197種。
HTとツルとパーペチュアルとティーと・・・と考えていっても200種って多いです。
その頃のシアトルにはどんなバラが揃っていたのでしょうか。
 
1949年(昭和24年)に日米バラ展示会が開かれています。
終戦の4年後ですから凄い話しです。
サンフランシスコばら会からピースの切花が、ポートランドからピースの苗が贈られて来ています。
ピースは第二次世界大戦の終結を記念して命名されたバラですから、ここでピースなのはよくわかります。
でもサンフランシスコから切花って・・・大変ですよね?
私はサンフランシスコのお花屋さんでバラを買って持って帰ってくる勇気はありません。
何本切って、何本飾れたのか、気になるところです。
 
1989年(平成元年)に横浜市制100周年、横浜開港130周年を記念してバラを市の花として制定しました。
横浜がバラを市の花に選んだも、わかるような気がしてきました。
文明開化の象徴のひとつだったのかもしれません。
 
2000年(平成12年)に横浜ばら会創立50周年、横浜バラ展第100回を記念して「ローズヨコハマ」が誕生しました。
 
2009年(平成21年)に横浜開港150周年を記念して「はまみらい」が誕生しました。
横浜のバラがふたつもありますが、誕生の理由がまったく違います。
資料の「はまみらい」の文字の下に鉛筆書きで”3,500通応募”と母がメモしています。バラ名の公募の話しかな?
 
 
東京と横浜は隣同士ですが、歴史の面白さが全然違います。
東京の歴史もとても楽しいのですが、江戸の園芸はあまりバラが出てこないのですよ、残念ながら。
やっぱりバラを愛でることに関しては欧米に一歩譲らざるを得ません。
そういえば、長崎のグラバー園にバラが植えられています。
神戸の洋館はどうでしょう?洋館のあるところでバラを調べてみると面白いことがあるかもしれませんね。
 
 
ローズヨコハマ
111209_01
 
 
はまみらい
111209_02

コメント

  1. Keiko より:

    読み応えがありました、ありがとう。
    お母様もしっかりロズレさんの影響下におられるのですね。^^
    興味深いお話でした。
    生活必需品のすぐ後にはお花が来るのかもしれません。
    遠路はるばる欧米から移住なさった方たちが一緒に連れてきたということは感慨深いですよね。
    東北の震災の時にも割りと早くからお花に関する応援が目立ちましたものね。
    人間にとってお花は実需品のひとつかも。
    横浜市のバラ、どちらもかわいい。

  2. ラ・ロズレ より:

    長文の読破ありがとうございます。
    欧米の方々はお庭に松の木だと寛げなかったのでしょうか。
    松を眺めながら紅茶ってなんか違う!と?
     
    物質的な応援はもちろん一番に来なければいけませんが、その次には必ず精神的な支えが必要になりますからね。
    あってもお腹はいっぱいにならないし、温かくもならない。
    でも無ければいけない。
    そういうもののひとつなのでしょうね。