週刊光源氏があったらいいのに

「光る君」という紫式部が主人公の大河ドラマになって、俄然注目を浴びている源氏物語。
合戦好きな大河ファンは退屈していないでしょうか。
私はお名前藤原さんのオンパレードに既にめげています。
それはそれとして、話題は源氏物語です。
これを機に読んでみたいと初めて源氏物語を手にする人もいるのではないかと思います。
しかし、原作はまず読めませんね。
「いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひける中に、いとやむごとなき・・」を最後まで読めとは言いませんし、私も古文は教科書に載っていた冒頭しか知りません。
では現代語訳はというと、谷崎潤一郎さん、円地文子さんという大御所は、現代というのが昭和の前半のほうだったりして、少し大変です。
田辺聖子さんや瀬戸内寂聴さんや&moreな方々の現代語訳から入るか、思い切ってコミックから入ってしまうという手もあります。
大和和紀(やまと わき)さんの『あさきゆめみし』です。
ただ、源氏物語の原作が長編なのでコミックにしても長いし、完全に少女漫画なので抵抗のある人もいるかもしれないし、大和和紀さんは大真面目に書いているので『はいからさんが通る』のようなギャグはひとつも出てこないし・・で、読みやすいかどうかは人にもよるかもしれません。
では短ければ・・と考えて、私は短いのを持っていることを思い出しました。
それが『週刊光源氏』です。
発売は2000年です。
この本をご存知の方はそれほど多くはないのではないかと推測します。
何故なら、あっという間に本屋さんから消えたからです。
理由は知りません。
この本は『週刊』となっているように、源氏物語を週刊誌風にして1冊にまとめた可笑し&恐ろしい本です。
”追悼・桐壺の更衣 いじめの末の壮絶死!”から”源氏の君、出家の心境を独占インタビュー”まで、ひととおり週刊誌の紙面イメージでまとまっています。
これだったら読める人がたくさんいたのだろうにと思います。
切り口が可笑しくて笑ってしまいながらも、紫式部さんが怒らないかという恐ろしさも感じます。
でも内容はちゃんと物語に沿っていてなかなか凄いなと思ったものでした。
漫画で歴史の勉強をすると覚えられたりします。
実は週刊誌風もサクッと頭に入るのだと私は驚きました。
もう売っていない本をオススメするわけにいかず、とても残念です。
これから読み始める皆様が、なるべく挫折しないよう、心からお祈りしています。

コメント

  1. もも より:

    本の勧め方がロズレさんらしくスマート♪
    こんな先輩が身近にいたら、きっと私ももっとたくさん本を読んだのに…。『週刊光源氏』は知りませんでした。
    今、『あさきゆめみし』は、光る君が須磨から戻って来て、末摘花の屋敷に立ち寄ったところまで読みました。読んだのは30年くらい前だけど、結構覚えているものです。

    • ラ・ロズレ より:

      あの頃は会社帰りに毎日本屋さんを通っていたものでした。(遠い目)
      漫画といえども興味の程度によっては長いと飽きるものです。
      『あさきゆめみし』なら全員読めるというものでもない気がします。
      それを結構覚えているということは、かなりドップリ読んだのでしょうね(^^)
      『あさきゆめみし』の末摘花さん、可愛くて好きです。

  2. Keiko より:

    今回のお話とは無縁な話で恐縮ですが、
    子供の頃住んでいた宇治市というところ。
    何やら紫式部と縁の深いところのようで、
    2015年に行った折、宇治橋のたもとに紫式部の像ができており驚きました。

    • ラ・ロズレ より:

      あらま、そうなのですか。
      では今年は大河ドラマの影響で観光客が押し寄せているかもしれませんね。
      2015年て、私が多摩川のほとりでご子息様とお会いした記念すべき年じゃないですかっ!!!